4HERO at drumnbass.org~interview with Dego

 以下のメールインタビューは、元々去年末〔1998年〕の4HERO DJ Tourに合わせてセッティングされたものですが、 メンバー多忙のため、来日後に帰国したあとDegoがメールで答えてくれたものです。(English version is here)

Degoより「ここ3ヶ月ロンドンにはほとんどいなかったんだ。返事が遅れてほんとにごめんね。」

とのことです。Degoは、礼儀正しくてなかなか良い人ですね。(^_^) それでは、どうぞ!

Q:今回で何回目の来日になりますか?日本のクラウドはどうですか?

[Dego] 日本には、5回目だね。日本のクラウドは、僕のDJスタイルに対してオープンマインドで、 とても歓迎してくれる。Sessionsはとても良かったよ。 会いたかった日本の友達とも会えたしね。楽屋で友達のYoneと一緒にカラオケをやってたりしたし、ほんとに楽しかったね。

Q:今回の来日メンバーを教えてください

[Dego] 今回は、僕とイアン、ガス、M.A.D、それにSeedのジョージが日本にきたんだよ。

Q:DegoさんやIanさんはいつもどんな感じのものをかけられているのですか? また今回はどのような感じでやろうとか考えておられますか?MCなどは入りますか?

[Dego] 僕は、いろんなタイプの音をかけるよ。例えばヒップホップとかハウスブギー、ジャズ、ファンクと言った感じで、そうだなカントリー&ウェスタンとバラード以外なら何でもかけるよ。 イアンはね、ドラムンベースとかハウス、ヒップホップかな。 今回はM.A.D.がMCをかましてくれるぜ、彼は音楽に空間を作ってくれるからいいね。

Q:DJされるときのお気に入りのレコってありますか?

[Dego] 今の気分なら、Cris Energyの曲とかNew Sector Movements,Voonga VoonとかSlum villageのLPかな。

Q:4Heroの音楽からは本当に幅広いお二人の音楽性をうかがうことができるのですが、今まで影響を受けたアーティストとアルバムをいくつかあげてみていただけますか?

[Dego] Charles StephneyやMizell Brothers,Ummah,Underground Resistnce,Jeff Lorber,Doug Carnなどなど、
ほんとにいろんな人からの影響は受けたな。

Q:そういえば、「Two Pages」のコンセプトや宇宙観というのは、サン・ラやP−FUNK、デトロイト・テクノなどの影響を感じるのですが、これらのアーティストはお好きですか?

[Dego] うん好きだよ。ただ、僕はP−FUNKからの直接的な影響は受けてないけどね。

Q:ところで皆さんの無人島へ持っていく1枚って何でしょうか?

[Dego] Johnny Hammondの「Gears」LP。特に"The Les Ciont..."って曲。

Q:今回はDJツアーということですが、皆さんにとってDJすることとライブすることはどのようなちがいがありますか?

[Dego] ライブに比べたらDJツアーは、やらなきゃならないことやエネルギーが少なくてすむとこかな。 ほら、リハーサルとか機材の準備とかもしなくていいじゃない?それに目立たなくてすむし、その分プレッシャーもあまり感じずに済むからね。

Q:ヨーロッパなどでは、弦なども含めた24人編成のライブをやられているそうですが、その様子を教えていただけませんでしょうか?また、日本にその編成で来られる予定は無いのですか? 非常に見てみたいのですが。

[Dego] ドラマー、ベーシストが二人、パーカッション、ギター、ストリングスが8人、シンガーが3人、 それにマークがベースとキーボード、僕がキーボードという構成だね。今年の後半にでもぜひこの編成で行きたいんだけどね、僕等のバンドは大所帯過ぎるから、コストが掛り過ぎるんだ。 でも僕等は行きたいと思ってるから、お祈りしながら待っててね。

Q:4HEROの作品はこれまででもフロアでも家でも聴けるという幅の広さがありましたが、 一部では近作はフロア嗜好から遠ざかってしまったとの声も聞かれます。 現在そしてこれからの皆さんのフロアとの係り方について教えていただけませんでしょうか?

[Dego] 「Two Pages」を作っているとき、僕はダンスフロアーのことは考慮に入れなかったんだ。
僕等が目指したのは、時代を越えて愛されるアルバムだったからね。僕等は1993年にダンスフロアーから離れた。 というのもシーンは僕等のことを理解してくれてないと思ったからなんだ。 だから正直言えば、クラブで僕等の曲を誰もプレイしてくれなかったとしても、気にしないね。 なぜなら、僕等は、もう十分そうしてきたし、自分たちで生み出し、そしてそれをみんなに教えてきたからね。 僕等以外のファミリー、G Force、 Seiji、Sonar Circle、 Alpha Omega、 Nucleas、Paradoxは、 みんなダンスチューンをやってるから、もしもっとフロアっぽい4HEROを聴きたい人達は、 僕等のスピリットは彼等に受け継がれていると思って欲しいな。もちろんこの答えはね、ほんとにコアなシリアスダンサー達の為にいってるだけどね。そういえば、僕がI.G Cultureと一緒にやったアルバムが、じきに完成するんだけど、これは結構ダンサブルかな。でも、僕が踊りたくなるようなやっつてのは、他の人達にとって(BPMが)遅すぎるみたいだけどね。まあ、でもそんなこと僕には知ったこっちゃないね!

Q:「2 Pages」のリミックスアルバムを出されましたが、これはどういういきさつで出されたのでしょうか?
また、それぞれのリミキサーの選択はどのような基準でされたのですか?

[Dego] 僕等が尊敬しているか、僕等の音楽を愛情込めて新しく解釈してくれそうな人達を選んだんだ。 

Q:聴くかぎりでは、フロアユースに合わせてのリミックスというよりは、コラボレーション的な側面 が強く感じられましたが?

[Dego] まさにその通り!

Q:なかでもお気に入りトラックをあげるとしたら?私はフォテックと4HERO自身のstar chacersのミックスが個人的には良かった、あとRon Trentのも気持ち良かった。

[Dego] 僕のお気に入りは、New Sector Movements の「Escape That」(これは日本盤CDには未収録)、
Herfnerの「Planateria」とRestless Soulの「Dauntless」かな。

Q:私はdrum'n'bassのwebsiteを今日本でやっていますが、だからといってドラムンベースというジャンルに
特にこだわって音楽を聴いてる訳ではないんです。それよりむしろ、今までドラムンベースと呼ばれてきた音楽が
与えてくれるある種のグルーヴ感やフィーリングにはこだわりがあります。それがあるかぎり呼び名が変わろうと
そのフィーリングをできるだけ多くの人に伝えればと思って活動をしています。4HEROの音楽はジャンルを
超えた独特の響きがあると思いますが、あなた達が音楽に接するうえで、大事にしていることはなんですか?

[Dego] 僕はみんなに音楽を楽しんで欲しいし、僕が愛する曲を聴いたときに感じるのと同じエスケーピズムやヴァイブをシェアしたいと思っているんだ。そしてみんなが音楽に対して自分自身の考えを持って、ハイプなやつらとか流行りに左右されないでいて欲しいと思うね。過去の音楽についてよく知ることは、みんなを助けてくれると僕は信じるし、僕がやりたいと思うこともまさにそういうことなんだ。

Q:私はそうは思わないのですが、最近drum'n'bassは、飽和状態に達している、もう限界が来ている等という声をまわりでよくきくのですが、そもそもdrum'n'bassという音楽フォームが音楽の世界にもたらしてきたものはなんだったと思いますか?4HEROの皆さんはもうdrum'n'bassからは去ってしまったとおっしゃってましたが。

[Dego] ドラムンベースは、次第に退屈なものになってきた。まるで’80年代のポップミュージックみたいな、
くだらない1−2、1−2ビートに僕はうんざりしているんだ。以前、ドラムンベースはほんとに斬新で革新的な
音楽だったのに、今は以前と同じような革新性は僕には聴き取ることができない。多くのDJ達やプロデューサー達は自己満足的になってしまってて、彼等は人と違った冒険をやるという危険に挑む意志を無くしてしまっている。それはとても悲しいことだし、結果 としてそれが僕をそういう混乱の中にこれ以上いたくないと思わせたんだ。

Q:4HEROやそれ以外プロジェクトのこれからのリリース予定などを聞かせてください。
また今進行中のプロジェクトで、差し支えなければどんなものがあるのか教えていただけませんでしょうか?

[Dego] 僕は今、Tek9のアルバムをレコーディング中で、これは全部ヒップホップなんだけれども、前のTek9のアルバムを完全に越えてると思う。それとさっきも言ったように、僕とI.G.Cultureはミニアルバムを作っているとこだし、ちょうど今マークと一緒に4HEROの次のアルバムを作り始めたとこだ。あと最後に2000 Blackレーベル用の曲や、Reinforcedのアルバム用にG ForceやSeiji,Sonar Circle,Alpha Omegaの曲を選んでるとこだね。

Q:最後に日本のファンへ一言

[Dego] 日本の皆さんのサポートにはほんとに感謝してます。僕等は、あなた達が大好きです。
いつもずっとまた日本に行くことを楽しみにしてます。また、カルピスが飲みたいなあ。

[text & interview by Era Guru,translated by Kai & Era Guru :very special thanks for Maya]

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